理事長 松尾 昌出子
例年以上に長く感じられた冬もようやく終わり、春の日差しとともに本日「第31回松尾芸能賞贈呈式」を迎えることとなり喜ばしいかぎりでございます。
今年も演劇をはじめ様々なジャンルから日本の芸能界に貢献されたすばらしい方々を選考委員の先生方が選んでくださいました。いつも申しますように、「芸」というものはその人が一生をかけて“工夫し磨き上げ”て完成させていくもの、或いは“お家の芸”として代々受け継いでいかれるものだと思いますが、一方「芸」には“完成”という言葉はなく“一生勉強”ともいわれ、又「芸」は一代限りで、例え「伝承芸」といえども「型」は伝承されても「芸」はその人限りのものといわれています。従って今回受賞されます方々は其々の分野で、たゆまぬ努力と工夫を重ねられご自分の「芸」を確立された方々であり、このような優秀な方々を皆様にご紹介できますことを大変嬉しく思っております。
優れた芸能は我々の心を豊かにし癒してくれます。今日のように心が刺々しくなってしまった現代にこそ、われわれ芸能に携わる者は優れた「芸」を人々の心に送り続けなければなりません。そのためにも微力ながらも松尾芸能振興財団は少しでも日本の芸能界の活躍のお役に立てるよう努力を続けていきたいと願っております。
(平成22年3月 第31回松尾芸能賞贈呈式プログラム挨拶文より)